「働きマン」「さくらん」など、女性の苦悩や働く姿を刻々と描き好評を得ている安野モヨコさん。彼女の作品は多くが映像化されて、注目を浴びてきました。そんな安野さんが描いた「鼻下長紳士回顧録」がすごい!連載開始から5年をかけて完結した大作で、現在はブロードウェイでのミュージカル化も進行中です。
ストーリー
舞台は20世紀初頭のパリ。お金持ちや上流階級が自分の欲望を吐き出す場所、売春宿の「メゾン・クローズ」
本当の変態とは名付けることのできない欲望を抱えた人間のことを言うんだ」
全身にヴァセリンを塗り、その上から大量の羽毛を被り「ことり」になって逃げ回る男、女二人を並べてテーブルがわりに食事をする男。
「この世の大抵のことは そういうプレイだって思えばしのげる」
そうやって日々をやり過ごしながらここにきて三年がたつコレット。彼女の唯一の心の拠り所はレオン。気まぐれに彼女を訪ねてくるレオンに不安を感じながらも心を焦がし待ち続けている。
そんな女性たちを求めて今日も「鼻下長紳士」たちはメゾンクローズにやってくる・・・
売春婦たちのそのひぐらしの贅沢な暮らしの一方、抜け出せない沼に嵌ったかのように苦悩し葛藤する内面描写は美しく哲学的です。
売春婦たちの普通じゃないけど普通な暮らしや内面をしっかりと書き上げていて、名言が連発するこの漫画。20世紀初頭のパリと言う異世界のお話なのに、スッと入ってくると言うか共感できる部分も多いんですよね。
娼婦になるような娘ってのは決まってる。
美味しい食べ物やアルコール
華美な衣服や花などに際限もなく金を費やし
部屋は散らかし放題
おしゃべり好きで落ち着いて何かをすることができず
絶えず刺激を求める
これって普通の女の子じゃん。今も昔も、日本もパリも人の欲望と悩みって変わらないのね。
全ては欲望の物語と同じ。決して完結しない
人間の欲望、男女の欲望、女としての欲望を見事に描いている作品です。彼女たちは売春婦ですが私たちと求めるものって変わらないんですよ。自分の欲望も曝け出されている気がして、読んでいて心臓を掴まれる時も ・・・
これはぜひ皆さんに読んでいただきたい!そして映像化にも期待しましょう!
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